革レザー製品好きなら、知っておくべき知識。(その3)

革レザー製品好きなら、知っておくべき知識。(その3)

革レザー製品好きなら、知っておくべき知識。
(その3)

 

革ができるまでは、様々な工程を経て製品として販売されるようになります。
私たちが普段使っている革製品も同じように様々な工程を経て、私たちの手元に届いています。

モラルコードでは、レザー専門店として
専門的な観点から、分かりやすく「レザー:本革」について解説したいと思います。

 

私達の身の周りには多くの革製品があります。
「皮」が「革」に加工されて製品となっているとお伝えしました。

詳しくは、
革レザー製品好きなら、知っておくべき知識。(その1)
をご覧ください。

 

その中で革の特徴を大きく左右する「なめし:鞣し」方法があります。
それは、「植物タンニンなめし」「クロムなめし」です。

この2つのなめし方法の特徴を把握すれば、今使っている革製品の特長をつかんで長く愛用したくなること間違いなしです!

 

 

目次

「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」の違いとは?

「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」の違い
「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」の違い

「植物タンニンなめし」

「植物タンニンなめし」の革は、一般的に革らしい豊かなエイジングを楽しみやすいのが特徴です。
繊維の密度が高いため、硬い傾向にあります。
また型崩れしにくく丈夫ですが、重いことが多いです。

なめし加工をするうえで、熟練の革職人さんが手作業に近い地道な作業を要するため、どうしても生産に時間が掛かってしまいます。
これが非効率的で、比較的高価である要因ともなっています。

 

植物タンニンなめし方法

植物の樹皮などから抽出した「渋(しぶ)」タンニン成分でなめすことから「ベジタブルタンニンなめし」と言われています。
この手法は古代エジプト時代から行われているなめし方法です。

 

  • ピットという槽につける方法
  • ドラムを使い手早く作る方法

 

があり、完成まで数カ月はかかります。
なめした後は、「クラスト」とよばれる茶色っぽい色の下地になります。

 

植物タンニン鞣し:ピット槽
植物タンニン鞣し:ピット槽
作業効率のよいドラム樽
作業効率のよいドラム樽
なめした革を乾燥させる
なめした革を乾燥させる

 

「クロムなめし」

「クロムなめし」の革は、化学薬品「塩基性硫酸クロム」で鞣した革のことです。

植物タンニンなめしのような特徴的なエイジングは味わえませんが、元々の発色が良くて、軽いという特徴があります。
また粘りっこく柔らかな感触を持ち合わせており、雨や火にも比較的強いと言えます。

生産効率が良いため、比較的安価で量産しやすい革のなめし方法です。
一般的な革製品の基本は、この「クロムなめし」を使って生産している非常に優れたなめし技術です。

 

クロムなめし方法

1884年に実用化された比較的新しい技術のこと。
化学薬品「塩基性硫酸クロム」を使ってなめします。

皮をドラムに入れて、数時間回転させて薬品を浸透させます。
革として全てを完成させるまでに数週間程度で済む生産性の良い量産向けのなめし方法です。
なめした後は、「ウエットブルー」とよばれる青色の下地になります。

 

「なめしの長所短所」

「ベジタブルタンニンなめし」のレザーは、植物から採れた天然の渋でなめしているレザーなので、より革らしい質感や優れた耐久性、弾力性が魅力です。

しかし「タンニンなめし」は主流の「クロムなめし」よりも手間やコストがかかるため、全革製品製造のうち約2割くらいまで減少しています。

植物タンニンなめしのデメリットは、「雨・水分に弱く、革キズや変色・変化が激しいこと」です。

使い手の理解と定期的なメンテナンスが無いと変化に戸惑うことが多いもの事実です。
値段が割高なうえに変化を望まない人には、不向きな革の種類です。

ただ大きなメリットのひとつには、使い込むうちに革ならではの色や質感の経年変化が楽しめるといわれています。
メンテナンスしながら、変化を楽しめて、自分好みに育てることに喜びを感じられる人にはピッタリのレザーです!!

 

一方で「クロムなめし」のレザーは、タンニンなめしと比べて変色・変化が控えめで、メンテナンスを頻繁に行う必要がないのがメリットです。
薄くて軽く、革も柔らかいのも魅力でしょう。

比較的安価で安定した量産向きのレザーなので、約8割の流通量の革です。
様々ななめし方法があるので、製品の使いやすさや使い手に準じた革に仕上げることができます。

ヨーロッパを筆頭に高度な「なめし薬品・技術」の開発発展により、多くの上質な革製品が生まれています。

デメリットには、化学薬品「塩基性硫酸クロム」の廃棄・焼却時に「六価クロム」という有害物質に排出させることです。
また、アレルギー反応が出る人もいます。

革を鞣す際に排出される多くの水の中に、この「六価クロム」が入っており、それがタンナーの外へ流れ出て近隣住民に多大な利害を及ぼすことが社会問題となるケースが発生しています。

特に発展途上国で生産させる革では、「タンナー」への規制を強めている状況にありますが、疑問視される点もまだ見受けられるのが実情です。

 

 

我々消費者も誰がどのように作っているか!?
「透明性」が必要になります。

ただ安く買えるものには、どこかに大きな代償が発生していることも理解しなければなりません。

多くの「タンナー」は巨額の設備投資を行い、有害物質の処理施設を設けて努力しています。そのため「クロムなめし」は有害物質を排出するからダメというものではないことを頭に入れておく必要があります。

 

それぞれの「なめしの長所短所」を理解したうえで、生産者や提供者の正確な情報をもとに、自分に合った「なめし:鞣し」方法の革を選んでみてはいかがでしょうか!?

 

近年では天然素材が見直されてきています。
「植物タンニンなめし」の良さも理解して、レザー素材を楽しんでもいいかもしれませんね!

 

 

 

「モラルコードの革」は、水質浄化システムで安心。

レザー専門店のモラルコードMORAL CODE
https://www.moralcode.jp/

 

1981年創業のタンナーで作られる最高級レザーを使用しているモラルコードは、「クロムなめし」「タンニンなめし」の両方の革を使っています。

特にインドにタンナーを持っていることで、心配される「水質汚染処理」については十分に安心な対応を行っています。

タンナー敷地内に大きな「水を浄化しながら、有害物質を取り除く」施設を設けていますので、敷地外に汚染水が流れ出ることは一切ありません。

また革をなめすのに必要な大量の水も、この浄化システムを使ってリサイクルしながら再利用しています。

 

Sara Leather Industries

− 1.25 million sq. ft per month
(生産量:125万平方フィート/月)
− All bovine leather
(牛革専門タンナー)
− Aniline, burnish and glazed finishes
(アニリン・ブラシ&つや出し仕上げ加工)
− State-of-the-art Effluent treatment plant
最先端の水処理プラント)
− LWG GOLD Rated Tannery
(レザーワーキンググループ(LWG)メンバー)

https://www.leatherworkinggroup.com/

 

モラルコードブランドは、地球環境や職場環境を考慮した取り組みをおこなっています。
40年を迎える長年積み上げてきた技術とノウハウは、世界から高い評価を得ています。

4世代引き継がれる実績あるインドの工場が、「アメリカと日本」で同じビジョンをもって展開するグローバルブランド【モラルコード:MORAL CODE】

詳しくは、
モラルコードについて|公式モラルコード

是非、確認してみてください!

【レザー専門店】MORAL CODEモラルコード
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